2回にわたりロルフィングを受けて頂いた方の感想を、紹介させて頂きました。
「踏ん張っている人は実は弱くて、ゆるい人が実は柳のように強いのかなと・・・」
そこで、多くの方が悩まれている「身体の症状」とロルフィングの関係を
振り返りつつ書いてみようと思います。
身体の症状
まず、前回のYさんの症状について振り返ります。前の記事はこちら
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)による
腰の痛み、脚のシビレがあり、間欠性跛行(かんけつせいはこう)の状態で来られました。
脊柱管狭窄症とは
腰部脊柱管狭窄症とは、
「脊椎にある脊柱管という神経を囲んでいる管が、骨、軟骨性および黄色靭帯など軟部組織によって
狭窄する整形外科疾患。通常、加齢に伴って発生する脊髄変性症で広く見られる症状であるが、
ときには脊椎椎間板ヘルニア、骨粗しょう症や腫瘍によって引き起こされる場合もある。」
間欠性跛行は、歩行しているとだんだん足が痺れたり痛くなり、少し休むと歩けるようになる状態のことで、
歩いていてもご年配の方に追い抜かれる程、歩行困難の状態とのことでした。
治療は・・・
病院でMRIを受け、脊柱管狭窄症の診断を受け、
治療として牽引、ホットパックによる温熱治療、投薬(痛み止め、血流改善)をされていたそうです。
これらは一般的な整形外科等で行われる治療です。
それぞれ意味もあるのですが・・・実際、症状は一向に改善しなかったそうです。
そこで、同じように、以前痛みやしびれで悩まれていた方からのご紹介でロルフィングを選ばれ、hinataに来られました。
ロルフィングで身体の症状は治る?
実際に、Yさんは、ロルフィングのセッションを通して症状は改善しましたが、
腰の痛みがある方、しびれのある方、身体の症状がある方・・・
ロルフィングを受けたら、治るのかもと期待するところですがご注意ください!!
「ロルフィングは、治療ではありません。姿勢矯正でもありません。」
では、何かというと
「本来のバランスを取り戻す、身体教育法です」
ですので、Yさんのように身体のバランスを取り戻すことで
結果として、姿勢が変わったり、症状が改善される方もおられれば、
症状がなかなか取れない方もおられます。
禅問答のようですが、ロルフィングはきっかけであって
ロルフィングが治したわけではないということをご理解ください。
ただ、無理に矯正したり整体したものは、その原因、生活習慣、感覚が変わっていないのですぐに戻ってしまいますが
気づき、感じ、身体で学んだ教育は、長期間残ります。
そして、症状はなくなりましたが、脊柱管狭窄症がなくなったわけではありません
(その後検査されていませんのでわかりませんが・・・。病名と症状は一致しないこともあります。ヘルニアでも痛みがない、脊柱管狭窄症でも痛みがないこともあります。これはいつかの機会に記事にしたいと思います。)
hinataのロルフィングは?
痛みやしびれの症状は、とても大切な身体からのメッセージです。
注射、薬、さまざまなことで、痛みやしびれの症状を止めたり、メッセージを無視する方法はたくさんあります。
でも、
ロルフィング、hinataでは、そういったことをするのではなく、
重力と調和した、本来の姿勢、自由な動き、広い感覚・・・
「本来の自分」を見つけていきます。
私は、それをご自身で見つけて頂くサポートをするだけ。
本来の姿勢、自由な動き、広い感覚をみつけた、その結果として、
姿勢や感覚が変わり、痛みや症状が改善したり、メッセージの意味、さまざまなことに気づきを得たり、
大きな転機になる方もおられるということです。
なかなか症状がとれない方は?
実際に症状がなかなかとれない方はおられます。
身体の症状や状態は考慮しますが、私はあまり症状にフォーカスしません。
なかなかこれまでのパターンを手放せられない、生活習慣を見直せない、心理的な要因、自分と向き合おうとしない、自分で何も変えようとしない、受け身、その他・・・さまざまなことで症状が取れない方もおられます。
ロルフィングは「教育」なので、学んだことをいかすのか、いかさないのでも差が生まれます。
ですが、ロルフィングで学んだことは、必ず残ります・・・
ロルフィング期間中に症状が改善しなくても、セッション後1年経ってようやく身体が落ち着く場所が見つかった、ロルフィングの意味がわかったという方もおられました。
ロルフィングはどのようなことをするの?
さて、ロルフィングは実際どのようなことをするかというと、こちらをご覧いただけるといいのですが
前回、前々回の方のご感想をみてもわかるように、受ける方によって印象も随分異なるようです。
もちろんロルファーによっても考え方、アプローチは随分異なります。
まずは、お気軽にご体験頂ければと思います。
セッションの覚え書き
ご感想を頂いた方のセッションを覚え書きとして残しておきます。
Yさんの場合、痛み、シビレ、歩行困難の状態なので、
ロルフィングの原則であるホーリズム(全体性)、アダプタビリティー(順応性)、サポート(支持)していきます。
横向きに寝ていただき観察すると脊柱~仙骨の動きがでていない。
痛みから守るために固めて動きがでていないのかもしれません。
いわゆる恐怖回避思考で腰を守るために固め、血流が悪くなり、悪循環になっている可能性があります。
また、動きがあまり出ていないからこの症状に繋がったのかもしれません。
そこで
クラニオセイクラムで一次呼吸、頭部~背骨~仙骨の動きを取り戻します。
梨状筋の左右のアンバランスを解消し、AKA、エネルギーワークを使って仙骨バランスの改善しました。
それと東洋医学的に肝が高まっている状態だったので、その調整をしたのちに
仰向けになっていただき、1回目のセッションとして「二次呼吸」を探究しました。
その結果痛みが軽減し、足の感覚がもどってきて、床に引いているコルクの感じがわかるとのこと。
後半のセッションでは、身体感覚を高めるムーブメントとして操体法を行ったり、内臓に対するキネシオロジーチェックも行いました。
私のロルフィング
症状がある方に、上記のようなことをするかというと、本来はこのようなことはしていません。
私の行うロルフィング体験セッションでは、あえて問題の場所に触れないということも多いです。
体験セッションでは、純粋にロルフィングはどんなことをして、自分にあっているか、今に合っているか感じていただきたいと思っています。
ロルフィングは行うロルファーによって考え方がそれぞれです。
基本的な概念は一緒でも、姿勢にこだわる方、動きにこだわる方、症状にこだわる方・・・
私は『教育』という部分を大切にしています。
身体に意識を向けてもらう、感覚を大切にしてもらう、生活、周りを見直してもらう。
頭で学ぶ教育ではなく、感覚的な教育です。
ムリな矯正や整体は、また元に戻りますが、感覚を伴った身体教育は永続的に残ります。
一度自転車に乗れると、何年乗っていなくても乗れてしまう感じと同じですね。
そういうこともあり、教育といっても指示、支持はあまりしません。
必要最低限のきっかけづくりをするだけ
与えすぎない、あえて与えない、ご自身でみつけていく、ための サポート、教育だと思っています。
シュタイナー教育やモンテッソーリ教育などに興味を持ち、たくさん記事にしていますが、そういった教育、子育てと一緒です。
自分で気づくことまで奪ってはいけないと思っています。
ロルフィングを受けた後・・・
ロルフィングの身体教育によって変化は、時間が経過するとだんだん悪くなるのではなく
生活に適応した状態に変化し続けます。
もちろんロルフィング中の感覚の変化に従って、生活、環境いろいろなものを見直すことができると
新しい環境に合わせた身体へと順応していきます。
実際、Yさんの後半のセッションでは、1ヶ月以上空いて行いましたが
その間も痛みやしびれなどの症状も出ず過ごせたそうです。
それもムリに矯正・整体したわけではなく身体教育で、姿勢や動きが変わり、感覚自体が変わったから
日にちが空いてもいい状態だったのではと思います。
さいごに・・・
もし、ロルフィングという身体教育法を通して
ご自身と向き合いたいという方がおられたらできる限りサポートさせて頂きます。
現在は、奈良、兵庫、滋賀、和歌山など大阪以外の遠方からもお越し頂いています。
治療ではない、『身体教育』
まずはどのようなものかお気軽に体験にお越しください。
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