筋膜(きんまく)
重力との調和をみつけていくのに、ロルフィングでは筋膜を扱っていきます。
NHKの「ためしてガッテン」やその他テレビ番組、さまざまな雑誌でも「筋膜」が取り上げられて大注目の組織です。
ですが、これまで医学界では筋膜は、「筋肉や内臓を包む膜」程度にしか考えれておらず、解剖でも邪魔者扱いされていたとか・・・ということもあり医学界のシンデレラともいわれています。
この筋膜は、未知なる可能性があり、近年研究や発表が盛んにおこなわれています。
鍼灸学校の解剖学教科書でも・・・
300ページほどある鍼灸学校の解剖学の教科書の中で「筋膜」がでてくるのはわずか2ページでした。
筋膜とは、筋の表面を包む結合組織膜で、筋を保護するとと共に、筋が収縮するときに相接する筋の間に摩擦が起こらないようにし、運動を円滑にする。個々の筋または筋群を包むのをとくに深筋膜、皮膚の皮下組織層を浅筋膜と区別することがある。
参照:医歯薬出版株式会社 解剖学
筋膜とは?
簡単にいえば、筋肉を包む膜です。
身近なものでは、スーパーなどで目にする鳥肉の表面にある白い膜です。
筋肉だけでなく、骨・内臓器官・血管・神経・関節など身体のあらゆる構成要素を包み込み、頭の上から足の先まで覆っているネット状のものです。
単なる組織を包み込む膜というわけでなく、
それぞれの場所に適正に位置するような働き(センサーの役割)や、
組織を支えたり、組織のスムーズな動きを助けるなど、重要な役割を担っています。
大きな外の皮の中に、白い袋上の皮、その中にまた小さな皮に包まれています。
筋膜は同じような構造になっています。
服を1カ所をつまむと、筋膜も同じように・・・
その筋膜がさまざまな理由(日々の生活習慣、姿勢の問題、クセ、怪我、手術、精神的、ストレス)で、
弾力性を失い、ねじれたり、固くなったり、縮んだりし、癒着したり…と、本来の自由な動きを妨げてしまうことがあります。
全身タイツの一カ所を引っ張られたり、ねじれたストッキングをはいて動いているのを想像してみてください。
一カ所の引っ張りや緊張が身体全体のバランスに影響を与えます。
それが、あなたの身体の中で起こっているとしたら・・・
また、そういった筋膜のネットワーク、繋がりを考えると、
なかなか改善しない痛みや症状の原因が、遠くのところが問題になっているということも考えらます。
例えば、腰の痛みや緊張が、足の筋膜に、内臓の筋膜に・・・原因があることも多くあります。
違ったとらえ方をすると・・・
筋肉を包む膜と書きましたが、違うとらえ方をすると
大きな膜にポケットがあり、そこに筋肉や骨が入っているとも考えられます。
少し見方を変えると、身体への働きかけも変わってきます。
筋膜の映像
筋膜への働きかけ
現代はストレス、さまざまな原因により、
筋膜が、弾力性を失い、ねじれたり、固くなったり、縮んだりし、癒着したりすることがあります。
手や肘、知覚など用いて、身体が本来あるべきところに戻し身体全体のバランスを回復させます。
解放することで制限のない、しなやかな動きが可能になります。